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イベント ロールズ『正義論 改訂版』新訳刊行記念 「社会と心の《正義》を求めて」 (第77回紀伊國屋サザンセミナー、2010年11月22日(月曜))
- カテゴリ :
- イベント
- 執筆 :
- sato 2010-10-22
http://www.kinokuniya.co.jp/01f/event/event.htm#minami_77
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第77回紀伊國屋サザンセミナー
ロールズ『正義論 改訂版』新訳刊行記念
「社会と心の《正義》を求めて」
いま注目のキーワード《正義》。しかし、そもそも《正義》とは何かについて、誰も語りつくせてはいない。「個人のかけがえのなさと自由が認められること、社会が誰にとっても暮らしやすいものであること」―― 新訳なったロールズの『正義論』を読み解き、《正義》の原点に迫るトークライブ。ロールズの構想<公正としての正義>は私たちの暮らしを変えることができるのか?
■日時 11月22日(月) 19:00開演(18:30開場)
■出演 香山リカ 竹田青嗣 川本隆史
■会場 紀伊國屋サザンシアター(紀伊國屋書店 新宿南店7階)
■料金 1,000円(税込・全席指定)
※チケット発売10月23日(土)10:00〜
■前売取扱い キノチケットカウンター(新宿本店5階/受付時間10:00〜18:30)
紀伊國屋サザンシアター(新宿南店7階/受付時間10:00〜18:30)
■電話予約・お問合せ 紀伊國屋サザンシアター(TEL 03-5361-3321、10:00〜18:30)
《チケットのご予約・お問い合わせは10月23日(土)以降にお願いいたします》
■主催 紀伊國屋書店
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『正義論』の書籍データはこちらから。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?KEYWORD=9784314010740
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第77回紀伊國屋サザンセミナー
ロールズ『正義論 改訂版』新訳刊行記念
「社会と心の《正義》を求めて」
いま注目のキーワード《正義》。しかし、そもそも《正義》とは何かについて、誰も語りつくせてはいない。「個人のかけがえのなさと自由が認められること、社会が誰にとっても暮らしやすいものであること」―― 新訳なったロールズの『正義論』を読み解き、《正義》の原点に迫るトークライブ。ロールズの構想<公正としての正義>は私たちの暮らしを変えることができるのか?
■日時 11月22日(月) 19:00開演(18:30開場)
■出演 香山リカ 竹田青嗣 川本隆史
■会場 紀伊國屋サザンシアター(紀伊國屋書店 新宿南店7階)
■料金 1,000円(税込・全席指定)
※チケット発売10月23日(土)10:00〜
■前売取扱い キノチケットカウンター(新宿本店5階/受付時間10:00〜18:30)
紀伊國屋サザンシアター(新宿南店7階/受付時間10:00〜18:30)
■電話予約・お問合せ 紀伊國屋サザンシアター(TEL 03-5361-3321、10:00〜18:30)
《チケットのご予約・お問い合わせは10月23日(土)以降にお願いいたします》
■主催 紀伊國屋書店
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『正義論』の書籍データはこちらから。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?KEYWORD=9784314010740
以下、首都大学東京・大学祭でのトークイベントの情報です。
http://houken-tmu.symphonic-net.com/h22event.html
http://houken-tmu.symphonic-net.com/img/web_pos0930.jpg
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平成22年度大学祭にて、首都大学東京法学研究会主催のトークイベントを開催します!
企画概要
2020 年、日本は GDP 成長率1%の低成長社会を迎える――リスク・シナリオの想定の下、経済政策は何を目指すべきか。
中野剛志氏(京都大学、経済産業省より出向) の展開する日本社会のオルタナティブ・ビジョンを中心に、 社会学者宮台真司氏と 法哲学者谷口功一氏(ともに首都大学東京)を交えて、日本の新しい姿を議論する。
企画情報
○日時
11月3日(水)(大学祭三日目)
1号館120教室
17:00開場
17:30-20:30(予定)
○出演者(順不同)
中野剛志先生(京都大学助教・経済産業省より出向)
宮台真司先生(首都大学東京教授・社会学者)
谷口功一先生(首都大学東京准教授・法哲学者)
○その他
無料でご参加いただけます。17:00より開場、17:30よりトークショー開始となります。
資料をお配りしますので、筆記用具をお持ちしていただくことをお勧めいたします。
http://houken-tmu.symphonic-net.com/h22event.html
http://houken-tmu.symphonic-net.com/img/web_pos0930.jpg
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平成22年度大学祭にて、首都大学東京法学研究会主催のトークイベントを開催します!
企画概要
2020 年、日本は GDP 成長率1%の低成長社会を迎える――リスク・シナリオの想定の下、経済政策は何を目指すべきか。
中野剛志氏(京都大学、経済産業省より出向) の展開する日本社会のオルタナティブ・ビジョンを中心に、 社会学者宮台真司氏と 法哲学者谷口功一氏(ともに首都大学東京)を交えて、日本の新しい姿を議論する。
企画情報
○日時
11月3日(水)(大学祭三日目)
1号館120教室
17:00開場
17:30-20:30(予定)
○出演者(順不同)
中野剛志先生(京都大学助教・経済産業省より出向)
宮台真司先生(首都大学東京教授・社会学者)
谷口功一先生(首都大学東京准教授・法哲学者)
○その他
無料でご参加いただけます。17:00より開場、17:30よりトークショー開始となります。
資料をお配りしますので、筆記用具をお持ちしていただくことをお勧めいたします。
展示・講演 「経済学の源流――欧米諸都市が育んだ100の古典」(第23回慶應義塾図書館貴重書展示会、2010年10月8日〜、丸善丸の内本店)
- カテゴリ :
- イベント
- 執筆 :
- sato 2010-09-16
詳細はリンク先をご参照ください。
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/archives/exhibit/annual_exhibition
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第23回慶應義塾図書館貴重書展示会
経済学の源流−欧米諸都市が育んだ100の古典
会期:2010年10月8日(金)〜10月14日(木)
会場:丸善・丸の内本店4階ギャラリー(JR東京駅丸の内北口 徒歩1分 丸の内オアゾ内)
9:00〜21:00 最終日17:00閉場 入場無料
主催:慶應義塾図書館 協賛:丸善株式会社
400年を超える経済学の歴史を慶應義塾図書館の豊富な稀覯書、初版本から選りすぐった100冊で辿ります。欧米諸都市で生まれ、育まれた経済学の世界を堪能してください。
講演会 会場:4階ギャラリー会場内 先着50名 ※11日は入替制。
10月10日(日)
15:00−16:00 経済学部教授 坂本 達哉
「イギリス経済学の特徴と伝統」
10月11日(月・祝)
13:30−14:30 経済学部教授 池田 幸弘
「スミス『国富論』のヨーロッパ大陸への波及」
15:00−16:00 経済学部教授 丸山 徹
「近代経済学の源流」
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/archives/exhibit/annual_exhibition
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第23回慶應義塾図書館貴重書展示会
経済学の源流−欧米諸都市が育んだ100の古典
会期:2010年10月8日(金)〜10月14日(木)
会場:丸善・丸の内本店4階ギャラリー(JR東京駅丸の内北口 徒歩1分 丸の内オアゾ内)
9:00〜21:00 最終日17:00閉場 入場無料
主催:慶應義塾図書館 協賛:丸善株式会社
400年を超える経済学の歴史を慶應義塾図書館の豊富な稀覯書、初版本から選りすぐった100冊で辿ります。欧米諸都市で生まれ、育まれた経済学の世界を堪能してください。
講演会 会場:4階ギャラリー会場内 先着50名 ※11日は入替制。
10月10日(日)
15:00−16:00 経済学部教授 坂本 達哉
「イギリス経済学の特徴と伝統」
10月11日(月・祝)
13:30−14:30 経済学部教授 池田 幸弘
「スミス『国富論』のヨーロッパ大陸への波及」
15:00−16:00 経済学部教授 丸山 徹
「近代経済学の源流」
東京外国語大学の学生サークル「現代思想研究会」主催のイベントです。
http://genshikentufs.seesaa.net/article/145032348.html
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西山雄二×萱野稔人対談企画「10年代の教養―大学が迷走する時代に―」(2010年5月22日(土))
お久しぶりです。代表の清水です。
前回企画鈴木謙介×萱野稔人「規範なき現在―model失効社会のネクストフェイズに」から少々時間は経ちましたが、2010年5月22日(土)に予定している次回の東京外国語大学現代思想研究会主催の企画がようやく正式にアナウンス出来る段階に入りましたので、こちらの公式ブログ上でも告知をさせて頂きます。
今回企画をする上で「大学」という会場、そして「五月」というシーズンを選んだ理由は、大学の「新入生」がそろそろ大学生活にも慣れ始めたことによって、今自分のいる「大学」という場所に対し当初抱いていた「期待」とのギャップや、当初抱いていたものとはまた違った意味での「不安」を感じる時期であるのでは?と考えるためです。
実際に私もそうでした。特に我々外大生というのは、一年生のうちは高校教育の延長のような"repeat after me?"方式の語学詰め込み教育にうんざりし、一年生の五月というのは「大学に入ってまで一体俺何やってるんだろう?」と感じる時期でもあります。
まあ平たく言ってしまえば「五月病」というヤツですが、「現代思想研究会」と銘を打っている以上、その「将来に対するただぼんやりとした不安」を「五月病」で片づけてしまうのではなんとも面白くない。そう感じませんでしょうか?そんなわけで「大学生の五月病」―『大学に入ってまで俺何やってるんだろう?』『じゃあ大学って一体何をするトコロなの?』―という不安に対し、我々と〈哲学〉してみませんか?
勿論、今回は新たに西山雄二先生、前回に引き続き萱野稔人先生といった御両方のお知恵を拝借し、広く『大学論』に触れていければと考えておりますので、外部の方々にも広く来て頂ければと考えております。
また今回も席は予約制をとらせて頂きます。観覧御希望の方はgenshiken.tufs@gmail.comへ、タイトルに"5.22対談観覧希望"、本文に"お名前、予約席数"を記載の上、メールを御送信ください。その後、当日の席番号をメールにて折り返しお伝え致します。※当日ご予約がなく満席の場合、立ち見となる可能性もございます。ご了承下さい。(代表 清水錬)
「10年代の教養―大学が迷走する時代に―」
日時:2010.5.22 14時から17時
場所:東京外国語大学 大学会館二階大集会室
【対談者紹介】
萱野稔人
1970年生まれ。2003年パリ第十大学院修了。哲学博士。東京大学21世紀COE「共生のための国際哲学交流センター」研究員を経て、現在、津田塾大学国際関係学科准教授。主な著作に『カネと暴力の系譜学』(河出書房)、『国家とはなにか』(以文社)など。
西山雄二
西山雄二1971年生まれ。2006年一橋大学博士課程修了。東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター(UTCP)」特任講師を経て、現在、首都大学東京都市教養学部准教授。主な編著に『哲学と大学』(未来社)。主な訳書にジャック・デリダ『条件なき大学』(月曜社)など。映画作品に『哲学への権利』。
【企画紹介】
前回の「規範なき現在―model失効社会のネクストフェイズに」では、萱野稔人先生と鈴木謙介先生をお呼びして「就活」の現状についての対談を企画させて頂きました。今回、「10年代の教養―大学が迷走する時代に―」では「大学、教養、人文知、就活」というものを学生の側から考えてみようと思い、萱野稔人先生×西山雄二先生をお呼びして対談を企画しました。
現在、国内外を問わず「大学」は大きく変わりつつあると思います。日本では、3年生の秋頃から本格的に始まる「就活」に引き摺られる形での大学があり、国立大学法人化以降、非常勤講師が大幅に削減され、授業数が減少し特に「人文知」は危機的状況です。そこで「大学」を考えた際に何が問題なのかということや学問の細分化が進んだ今、大学に入って何を学ぶべきか、10年代という時代に新たな形での教養を創造する必要性があるのではないかと考えました。
文責:代表代行 細川洋平
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http://genshikentufs.seesaa.net/article/145032348.html
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西山雄二×萱野稔人対談企画「10年代の教養―大学が迷走する時代に―」(2010年5月22日(土))
お久しぶりです。代表の清水です。
前回企画鈴木謙介×萱野稔人「規範なき現在―model失効社会のネクストフェイズに」から少々時間は経ちましたが、2010年5月22日(土)に予定している次回の東京外国語大学現代思想研究会主催の企画がようやく正式にアナウンス出来る段階に入りましたので、こちらの公式ブログ上でも告知をさせて頂きます。
今回企画をする上で「大学」という会場、そして「五月」というシーズンを選んだ理由は、大学の「新入生」がそろそろ大学生活にも慣れ始めたことによって、今自分のいる「大学」という場所に対し当初抱いていた「期待」とのギャップや、当初抱いていたものとはまた違った意味での「不安」を感じる時期であるのでは?と考えるためです。
実際に私もそうでした。特に我々外大生というのは、一年生のうちは高校教育の延長のような"repeat after me?"方式の語学詰め込み教育にうんざりし、一年生の五月というのは「大学に入ってまで一体俺何やってるんだろう?」と感じる時期でもあります。
まあ平たく言ってしまえば「五月病」というヤツですが、「現代思想研究会」と銘を打っている以上、その「将来に対するただぼんやりとした不安」を「五月病」で片づけてしまうのではなんとも面白くない。そう感じませんでしょうか?そんなわけで「大学生の五月病」―『大学に入ってまで俺何やってるんだろう?』『じゃあ大学って一体何をするトコロなの?』―という不安に対し、我々と〈哲学〉してみませんか?
勿論、今回は新たに西山雄二先生、前回に引き続き萱野稔人先生といった御両方のお知恵を拝借し、広く『大学論』に触れていければと考えておりますので、外部の方々にも広く来て頂ければと考えております。
また今回も席は予約制をとらせて頂きます。観覧御希望の方はgenshiken.tufs@gmail.comへ、タイトルに"5.22対談観覧希望"、本文に"お名前、予約席数"を記載の上、メールを御送信ください。その後、当日の席番号をメールにて折り返しお伝え致します。※当日ご予約がなく満席の場合、立ち見となる可能性もございます。ご了承下さい。(代表 清水錬)
「10年代の教養―大学が迷走する時代に―」
日時:2010.5.22 14時から17時
場所:東京外国語大学 大学会館二階大集会室
【対談者紹介】
萱野稔人
1970年生まれ。2003年パリ第十大学院修了。哲学博士。東京大学21世紀COE「共生のための国際哲学交流センター」研究員を経て、現在、津田塾大学国際関係学科准教授。主な著作に『カネと暴力の系譜学』(河出書房)、『国家とはなにか』(以文社)など。
西山雄二
西山雄二1971年生まれ。2006年一橋大学博士課程修了。東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター(UTCP)」特任講師を経て、現在、首都大学東京都市教養学部准教授。主な編著に『哲学と大学』(未来社)。主な訳書にジャック・デリダ『条件なき大学』(月曜社)など。映画作品に『哲学への権利』。
【企画紹介】
前回の「規範なき現在―model失効社会のネクストフェイズに」では、萱野稔人先生と鈴木謙介先生をお呼びして「就活」の現状についての対談を企画させて頂きました。今回、「10年代の教養―大学が迷走する時代に―」では「大学、教養、人文知、就活」というものを学生の側から考えてみようと思い、萱野稔人先生×西山雄二先生をお呼びして対談を企画しました。
現在、国内外を問わず「大学」は大きく変わりつつあると思います。日本では、3年生の秋頃から本格的に始まる「就活」に引き摺られる形での大学があり、国立大学法人化以降、非常勤講師が大幅に削減され、授業数が減少し特に「人文知」は危機的状況です。そこで「大学」を考えた際に何が問題なのかということや学問の細分化が進んだ今、大学に入って何を学ぶべきか、10年代という時代に新たな形での教養を創造する必要性があるのではないかと考えました。
文責:代表代行 細川洋平
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http://www.tufs.ac.jp/info/events.html#100212
http://www.tufs.ac.jp/insidetufs/doc/10011301.pdf
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●アラン・カイエ講演会(同時通訳あり)
日時:2010年2月12(金)
時間:18:00〜19:30
司会:西谷修(東京外国語大学大学院教授)
講演:Alain Caillé(パリ第10大学教授、MAUSS代表)
●ラウンド・テーブル(同時通訳あり。)
日時:2010年2月13(土)
時間:13:00〜17:00
ゲスト:アラン・カイエ
討議者: 渡辺公三(立命館大学大学院先端総合学術研究科教授)
西谷修(東京外国語大学大学院教授)
真島一郎(東京外国語大学AA研准教授)
マルク・アンベール(日仏会館フランス側館長)
司会:中山智香子
会場:東京日仏会館
【カイエ紹介】
アラン・カイエ(Alain Caillé, 1944- )
現在パリ第10大学(ナンテール)社会学教授で、「経済・組織・社会」の博士
コースを指導するとともに、SOPHIPOL(政治的・社会学/哲学/人類学ラボラト
リー)の共同代表を務めるが、なにより雑誌MAUSS(Mouvement
Anti-Utilitariste dans les Sciences Socials 社会科学における反功利主義運
動)の創始者にして主幹として知らる。
モース雑誌(La revue du MAUSS)は、社会科学と政治哲学を学際的に横断する
研究誌として1981年に創刊され、Editions La Découverte から刊行されるとと
もに、ウェヴサイト(www.revuedumauss.com)も展開し、近年は活発な議論のた
めのジャーナル・サイト(www.journaldumauss.net)も設けている。
【企画趣旨】
わたしたちが現在MAUSSにあらためて注目するのは、この知的運動体がすでに四
半世紀以上にわたって、現代の経済主義的社会統治の原理的批判を展開し、オル
タナティヴ理論の共同的練成に向けてたゆまぬ活動を続けてきたからです。
2008年秋以降の世界経済危機は、たんにアメリカ式金融システムの破綻、ある
いは新自由主義的統治イデオロギーの失墜というにとどまらず、さらに長い射程
で、産業システムを軸とした経済主義的社会形成全般の危機を露呈したものと見
ることができます(ここで資本主義という用語をあえて避けるのは、事態を資本
主義/社会主義あるいは右派/左派といった、歴史的負荷の大きい硬直した理論
的枠組みの中に落とし込んでしまわないためです)。
現在の経済危機の淵源とみなされる70年代初頭のドルの変動相場制への移行
は、アメリカに新自由主義を台頭させ、これがやがて英米で主導権をとって以
来、情報革命と「壁の崩壊」による市場一元化を通してグローバル化のイデオロ
ギーとなり、市場原理主義を世界に広めました。その結果、政治が後退する経済
主義的な世界統治が語られもしましたが、ただしこの統治システムは「テロとの
戦争」という超国家的「安全」保障体制を要請していました。そしてわれわれが
現在目の当たりにしているのは、この新たな戦争レジームと新自由主義的統治の
二重の破綻です。付言するなら、経済と軍事のカップリングによって政治をはじ
き出そうとしたこのグローバル世界統治システムとは、植民地支配として展開さ
れた産業化以後の西洋主導の世界化プロセスを、アメリカ的「自由」のイデオロ
ギーによって更新し、永続化するための装置だということです。
けれども、振り返ってみればその端境のころ、つまり1970年代初頭から、産
業・経済主義的社会組成に対する根本的な異論や批判が現れてきていました。す
でにK・ポランニーの市場経済批判がありましたが、N・ジョージェスク=レー
ゲン、I・イリッチらが登場し、正統的経済学(新古典派)や経済主義的ヴィ
ジョンを支えていた「成長神話」が批判されるようになります。フランスではア
ンドレ・ゴルツやフランソワ・パルタンなどが、多様な角度からの批判が展開し
ました。
その流れを受けて、たんに新しい経済学を構想するのではなく、経済学を軸と
した社会科学全般に浸透する「功利主義」そのものを審問して、人間社会を考察
する別の知の方法を人文・社会科学の横断的な共同作業によって練成しようとい
う目的で創設されたのがMAUSSです。いうまでもなくこの命名は、西洋近代の経
済観念に「贈与」の概念で異論を突きつけたM・モースの名にかけられています。
わたしたちの科研グループでは、経済や政治が根本的に問われているこの時期
に、すでに必要な方向に向けて四半世紀の活動を展開してきたMAUSS代表のアラ
ン・カイエ氏を招き、その経験と成果について報告を受けるとともに、日本の関
係者、関心を共有する方がたと議論の機会を作ることにいたしました。
(文責:西谷)
Alain Caillé 主要著作―――――――――――――――――――――――――――――――
Théorie anti-utilitariste de l'action:Fragments d'une sociologie
générale, Editions La Découverte, 2009.
Don, intérêt et désintéressement:Bourdieu, Mauss, Platon et quelques
autres, Editions La Découverte, 2005.
Dé-penser l'économique:Contre le fatalisme, Editions La Découverte, 2004.
Critique de la raison utilitaire, Editions La Découverte, 2003
The World of the Gift, Mcgill Queen’s University Press, 1999.
主催:科学研究費プロジェクト(「戦争・経済・メディアから見るグローバル世 界秩序の複合的研究」(研究代表者:西谷修))
共催:『マルセル・モース研究―社会・交換・組合』(AA研共同研究プロジェクト)
会場提供:東京日仏会館フランス事務局
http://www.tufs.ac.jp/insidetufs/doc/10011301.pdf
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●アラン・カイエ講演会(同時通訳あり)
日時:2010年2月12(金)
時間:18:00〜19:30
司会:西谷修(東京外国語大学大学院教授)
講演:Alain Caillé(パリ第10大学教授、MAUSS代表)
●ラウンド・テーブル(同時通訳あり。)
日時:2010年2月13(土)
時間:13:00〜17:00
ゲスト:アラン・カイエ
討議者: 渡辺公三(立命館大学大学院先端総合学術研究科教授)
西谷修(東京外国語大学大学院教授)
真島一郎(東京外国語大学AA研准教授)
マルク・アンベール(日仏会館フランス側館長)
司会:中山智香子
会場:東京日仏会館
【カイエ紹介】
アラン・カイエ(Alain Caillé, 1944- )
現在パリ第10大学(ナンテール)社会学教授で、「経済・組織・社会」の博士
コースを指導するとともに、SOPHIPOL(政治的・社会学/哲学/人類学ラボラト
リー)の共同代表を務めるが、なにより雑誌MAUSS(Mouvement
Anti-Utilitariste dans les Sciences Socials 社会科学における反功利主義運
動)の創始者にして主幹として知らる。
モース雑誌(La revue du MAUSS)は、社会科学と政治哲学を学際的に横断する
研究誌として1981年に創刊され、Editions La Découverte から刊行されるとと
もに、ウェヴサイト(www.revuedumauss.com)も展開し、近年は活発な議論のた
めのジャーナル・サイト(www.journaldumauss.net)も設けている。
【企画趣旨】
わたしたちが現在MAUSSにあらためて注目するのは、この知的運動体がすでに四
半世紀以上にわたって、現代の経済主義的社会統治の原理的批判を展開し、オル
タナティヴ理論の共同的練成に向けてたゆまぬ活動を続けてきたからです。
2008年秋以降の世界経済危機は、たんにアメリカ式金融システムの破綻、ある
いは新自由主義的統治イデオロギーの失墜というにとどまらず、さらに長い射程
で、産業システムを軸とした経済主義的社会形成全般の危機を露呈したものと見
ることができます(ここで資本主義という用語をあえて避けるのは、事態を資本
主義/社会主義あるいは右派/左派といった、歴史的負荷の大きい硬直した理論
的枠組みの中に落とし込んでしまわないためです)。
現在の経済危機の淵源とみなされる70年代初頭のドルの変動相場制への移行
は、アメリカに新自由主義を台頭させ、これがやがて英米で主導権をとって以
来、情報革命と「壁の崩壊」による市場一元化を通してグローバル化のイデオロ
ギーとなり、市場原理主義を世界に広めました。その結果、政治が後退する経済
主義的な世界統治が語られもしましたが、ただしこの統治システムは「テロとの
戦争」という超国家的「安全」保障体制を要請していました。そしてわれわれが
現在目の当たりにしているのは、この新たな戦争レジームと新自由主義的統治の
二重の破綻です。付言するなら、経済と軍事のカップリングによって政治をはじ
き出そうとしたこのグローバル世界統治システムとは、植民地支配として展開さ
れた産業化以後の西洋主導の世界化プロセスを、アメリカ的「自由」のイデオロ
ギーによって更新し、永続化するための装置だということです。
けれども、振り返ってみればその端境のころ、つまり1970年代初頭から、産
業・経済主義的社会組成に対する根本的な異論や批判が現れてきていました。す
でにK・ポランニーの市場経済批判がありましたが、N・ジョージェスク=レー
ゲン、I・イリッチらが登場し、正統的経済学(新古典派)や経済主義的ヴィ
ジョンを支えていた「成長神話」が批判されるようになります。フランスではア
ンドレ・ゴルツやフランソワ・パルタンなどが、多様な角度からの批判が展開し
ました。
その流れを受けて、たんに新しい経済学を構想するのではなく、経済学を軸と
した社会科学全般に浸透する「功利主義」そのものを審問して、人間社会を考察
する別の知の方法を人文・社会科学の横断的な共同作業によって練成しようとい
う目的で創設されたのがMAUSSです。いうまでもなくこの命名は、西洋近代の経
済観念に「贈与」の概念で異論を突きつけたM・モースの名にかけられています。
わたしたちの科研グループでは、経済や政治が根本的に問われているこの時期
に、すでに必要な方向に向けて四半世紀の活動を展開してきたMAUSS代表のアラ
ン・カイエ氏を招き、その経験と成果について報告を受けるとともに、日本の関
係者、関心を共有する方がたと議論の機会を作ることにいたしました。
(文責:西谷)
Alain Caillé 主要著作―――――――――――――――――――――――――――――――
Théorie anti-utilitariste de l'action:Fragments d'une sociologie
générale, Editions La Découverte, 2009.
Don, intérêt et désintéressement:Bourdieu, Mauss, Platon et quelques
autres, Editions La Découverte, 2005.
Dé-penser l'économique:Contre le fatalisme, Editions La Découverte, 2004.
Critique de la raison utilitaire, Editions La Découverte, 2003
The World of the Gift, Mcgill Queen’s University Press, 1999.
主催:科学研究費プロジェクト(「戦争・経済・メディアから見るグローバル世 界秩序の複合的研究」(研究代表者:西谷修))
共催:『マルセル・モース研究―社会・交換・組合』(AA研共同研究プロジェクト)
会場提供:東京日仏会館フランス事務局