研究会blog - 200905のエントリ
第2回研究会での討論者をお引き受けくださった橋本努さんが、当日のコメントを文章化したものをご自身のHPで公開されています。
http://www.econ.hokudai.ac.jp/~hasimoto/
http://www.econ.hokudai.ac.jp/~hasimoto/Book%20Review%20on%20Nakano%20Takeshi%20200905.htm
http://www.econ.hokudai.ac.jp/~hasimoto/
http://www.econ.hokudai.ac.jp/~hasimoto/Book%20Review%20on%20Nakano%20Takeshi%20200905.htm
第2回研究会では,『国力論――経済ナショナリズムの系譜』(以文社,2008年) の合評会を,著者の中野剛志さん(経済産業省経済産業政策局産業構造課課長補佐)をお招きして開催いたします.議論においては,適宜,『経済はナショナリズムで動く――国力の政治経済学』(PHP研究所,2008年) にも言及することになるかと思います.
今回合評する『国力論』は,ハミルトンとリストを起点に,ヒューム,ヘーゲル,マーシャル,ケインズとロビンソン,ミュルダール,クズネッツらを政治経済思想史の通説とは異なるかたちで読み直し,「経済的自由主義」とは異なる,「経済ナショナリズム」の一貫した思想系譜を指し示そう,とするものです.
たしかに当のスミスの思想においてナショナルな枠組みが大きな役割を果たしていたことや,さらにその後のさまざまな経済学者たちの思想や政策論議において“ナショナルなもの”が議論の不可欠な条件として機能していたことなどは,専門研究者のあいだでは一定の共通了解となっているところかもしれません.しかし『国力論』の画期をなすところは,そうした要素・側面を「経済的自由主義」と代替するに足る一貫した思想体系を成すものとして再構成し,その現代的意義を積極的に強調してみせた点となるかと思われます.今回はこの極めて論争提起的な書物を基点に,“経済思想におけるナショナルなもの”の現代的意義をめぐって参加者の皆さんと議論ができればと思います.
討論者としてお招きしたのは,『経済学者たちの闘い――エコノミックスの考古学』(東洋経済新報社、2003年)や『改革の経済学――回復をもたらす経済政策の条件』(ダイヤモンド社, 2005年)などで,経済学の歴史的知見を現代的な政策論議に積極的に活かそうとする新しい言説スタイルを開拓されてきた若田部昌澄さん(早稲田大学政治経済学術院),そして『帝国の条件――自由を育む秩序の原理』(弘文堂,2007年) で独自の「成長論的自由主義」の立場から国民国家を超える善き「帝国」の望ましい条件を大胆に提示しようと試みた橋本努さん(北海道大学大学院経済学研究科)です.世話人のひとり佐藤方宣(大東文化大学経済学部現代経済学科)も討論者に加わります.“経済思想におけるナショナルなもの”の系譜の積極的意義を主張する中野さんとの間でどのような議論が展開されるか,いまから非常に楽しみなところです.
多くの方々の参加を心よりお待ち申し上げます.
(文責:世話人代表・佐藤方宣 masasato[at mark]ic.daito.ac.jp)
今回合評する『国力論』は,ハミルトンとリストを起点に,ヒューム,ヘーゲル,マーシャル,ケインズとロビンソン,ミュルダール,クズネッツらを政治経済思想史の通説とは異なるかたちで読み直し,「経済的自由主義」とは異なる,「経済ナショナリズム」の一貫した思想系譜を指し示そう,とするものです.
たしかに当のスミスの思想においてナショナルな枠組みが大きな役割を果たしていたことや,さらにその後のさまざまな経済学者たちの思想や政策論議において“ナショナルなもの”が議論の不可欠な条件として機能していたことなどは,専門研究者のあいだでは一定の共通了解となっているところかもしれません.しかし『国力論』の画期をなすところは,そうした要素・側面を「経済的自由主義」と代替するに足る一貫した思想体系を成すものとして再構成し,その現代的意義を積極的に強調してみせた点となるかと思われます.今回はこの極めて論争提起的な書物を基点に,“経済思想におけるナショナルなもの”の現代的意義をめぐって参加者の皆さんと議論ができればと思います.
討論者としてお招きしたのは,『経済学者たちの闘い――エコノミックスの考古学』(東洋経済新報社、2003年)や『改革の経済学――回復をもたらす経済政策の条件』(ダイヤモンド社, 2005年)などで,経済学の歴史的知見を現代的な政策論議に積極的に活かそうとする新しい言説スタイルを開拓されてきた若田部昌澄さん(早稲田大学政治経済学術院),そして『帝国の条件――自由を育む秩序の原理』(弘文堂,2007年) で独自の「成長論的自由主義」の立場から国民国家を超える善き「帝国」の望ましい条件を大胆に提示しようと試みた橋本努さん(北海道大学大学院経済学研究科)です.世話人のひとり佐藤方宣(大東文化大学経済学部現代経済学科)も討論者に加わります.“経済思想におけるナショナルなもの”の系譜の積極的意義を主張する中野さんとの間でどのような議論が展開されるか,いまから非常に楽しみなところです.
多くの方々の参加を心よりお待ち申し上げます.
(文責:世話人代表・佐藤方宣 masasato[at mark]ic.daito.ac.jp)
次回の研究会では直接の合評対象ではありませんが、中野剛志さんの最新刊『恐慌の黙示録――資本主義は生き残ることができるのか』(東洋経済新報社、2009年)の書評が毎日新聞に掲載されましたのでご紹介します(評者は東京大学大学院綜合文化研究科の松原隆一郎氏)。
・今週の本棚:松原隆一郎・評 『恐慌の黙示録――資本主義は生き残ることができるのか』
「現役官僚が辿る、金融資本主義論の系譜」
なおリンク先は一定期間後、消去されるものと思われます。
・今週の本棚:松原隆一郎・評 『恐慌の黙示録――資本主義は生き残ることができるのか』
「現役官僚が辿る、金融資本主義論の系譜」
なおリンク先は一定期間後、消去されるものと思われます。