近刊・新刊情報 - 201302のエントリ

結城剛志 『労働証券論の歴史的位相――貨幣と市場をめぐるヴィジョン』  日本評論社、2013年2月

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目次

課題と方法──労働証券論の不可視性

第1章 プルードンの社会主義とマルクスの市場理論──無償信用論と価値形態論
問題の背景
1 プルードンの無償信用論
2 マルクスによる労働貨幣論の規定
3 『資本論』におけるプルードン批判
結びに代えて──現代世界とアナーキズム

第2章 マルクスによる労働貨幣論批判の理論的含意──社会主義と地域通貨への射程
1 労働貨幣論批判の帰結としての労働証明書の提示
 (1) 分配尺度としての労働時間
 (2) 労働貨幣論批判からオウエン評価へ
2 労働証明書と地域通貨との関連性
 (1) 等労働量交換の実現から不等労働量交換の受容へ
 (2) 地域通貨(タイムダラー)との関連性
小括と残された課題

第3章 R・オウエンとJ・ウォレンの労働証券論
1 忘却された舞台──アメリカにおける労働証券論
2 オウエンの労働証券論──自然的価値標準としての労働時間の提唱
3 ニューハーモニーにおける帳簿方式の実験──理想主義の挫折
4 ウォレンの労働証券論──オウエン思想の批判的継承
 (1) ウォレンの略歴
 (2) 個性概念と個人主権論
 (3) 費用概念と労働証券論
 (4) タイム・ストアの運営状況
5 労働証券論の歴史的意味と問題点

第4章 ウィリアム・ペアの労働証券論──貨幣機能の分析から市場ヴィジョンへ
1 労働証券論の源泉と支流
2 ウィリアム・ペアの労働証券論
 (1) ペアによるウォレン型労働証券論の刷新
 (2) 交換手段、支払手段、蓄蔵の観点から

第5章 オウエンの労働証券論と現代の地域通貨論との比較検討
問題の所在
1 地域通貨の思想と理論
 (1) タイムダラーの思想的概要
 (2) LETSの理論的概括
2 オウエンと労働証券の諸実践
 (1) 再びオウエンの労働証券論について
 (2) 労働証券の諸実践
3 貨幣の発行根拠をめぐる諸様相
 (1) ニュー・ハーモニー型と労働交換所型
 (2) 労働証券とタイムダラー
 (3) 労働証券とLETS
いったんの総括と労働証券論の分岐

第6章 ジョン・グレイの労働証券論──貨幣と労働の関連性
1 グレイをめぐる問題群
 (1) 先行研究におけるグレイ評価をめぐって
 (2) 貨幣と労働の関連問題へ
2 労働証券論の基本構造
 (1) 中期グレイにおける貨幣と労働の関連性
 (2) 複雑労働の処理をめぐって
 (3) 中期グレイにおける貨幣と生産体制の関連性
3 労働証券論の変容と帰結
 (1) 後期グレイにおける貨幣と労働の関連性
 (2) 複雑労働の処理をめぐって
 (3) 後期グレイにおける貨幣と生産体制の関連性

第7章 S・ゲゼルの資本理論
1 研究の背景
2 市場中心社会主義
3 独立小生産者モデル
4 独立小生産者モデルを支える理論的・思想的条件
5 貨幣=資本説

貨幣と市場をめぐるヴィジョン──労働証券論の可能性
武田信照 『近代経済思想再考――経済学史点描』  ロゴス、2013年1月

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目次

まえがき
序 章 経済学史講義回顧
第1章 チュルゴー『富の形成と分配にかんする諸考察』の切れ味
 はじめに──「実践の経済学者」──
 第1節 近代資本主義像への接近
   1 階級分析
   2 利潤の一般性
   3 資本の5つの利用方法および収入諸形態間の関係
 第2節 使用価値(物)の諸問題
   1 土地の有限性
   2 貨幣と使用価値
   3 農産物の特性
第2章 アダム・スミスの倫理学と経済学──『諸国民の富』はエゴまるだしの経済学の源流か──
 はじめに
 第1節 『道徳感情論』の倫理学
   1 同感と道徳的基準
   2 利己心の是認とその制御
   3 正義と慈恵
 第2節 『諸国民の富』の経済学
   1 商業社会の論理,「見えない手」の論理
   2 「フェア・プレイの侵犯」としての重商主義
   3 「自然的自由の制度」──その光と影──
 〔追記〕
第3章 穀物法論争再考──マルサス・リカード・現在──
 はじめに
 第1節 穀物法論争の論争内容
   1 マルサスの主張
   2 リカードの主張
 第2節 穀物法論争とリカード経済学
 第3節 穀物法論争をめぐる新視点
 〔追記〕
第4章 株式会社観の転換──A.スミスからJ.S.ミルへ──
 前 文
 はじめに
 第1節 A.スミスの株式会社論
 第2節 J.S.ミルの株式会社論
 おわりに
第5章 J.S.ミル『経済学原理』の社会改革論──アソシエーション論と停止状態論──
 はじめに
 第1節 アソシエーション論
   1 「将来」章の主要論点
   2 アソシエーション論の基本内容
     A 労働者と資本家のアソシエーション
     B 労働者間のアソシエーション
   3 ミル・アソシエーション論の特徴
   4 生産・分配二分論とマルクスのミル批判再審
 第2節 停止状態論
   1 利潤率の低下傾向論
   2 利潤の最低限をめぐる諸問題 
   3 停止状態についてのミルの評価
   4 ミル停止状態論をめぐって
 〔追記〕 
第6章 『ライン新聞』とマルクス──青年マルクスの思想的危機と転回──
 はじめに
 第1節 博士論文(準備ノートと本文への注)をめぐって
   1 時代の課題と哲学の実現(準備ノート)
   2 哲学の実践としての批判(本文への注)
 第2節 『ライン新聞』の諸論説(政治批判の諸相)
   1 「出版の自由と州議会議事の公表についての討論」(1842年5月)
   2 「木材窃盗取締法にかんする討論」(1842年10月〜11月)
   3 「モーゼル通信員の弁護」(1843年1月)
 おわりに
付 論 草稿「ヘーゲル国法論批判」のマルクス思想史上の意義──J.オマリーの研究について──
 1 
 2 
   1 「批判」の位置
   2 「批判」の方法
   3 「批判」の政治,社会理論
 3 
   1 「批判」の位置づけ
   2 フォイエルバッハ受容をめぐって
あとがき
人名索引
ジャン=ピエール・デュピュイ 『経済の未来――世界をその幻惑から解くために 』  森元庸介訳、以文社、2013年1月
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目次

序 政治を手玉に取る経済

第一章 経済と悪という問題
 1 悪という問題
 2 経済の暴力
 3 経済はわたしたちをわたしたち自身の暴力から護る
 4 経済と聖なるもの
 5 経済の自己超越とパニック
 6 経済に汚染される倫理

第二章 自己超越
 1 価格の自己超越
 2 自己超越としての未来
 3 金融パニック下の公的発話
 4 破局期におけるコミュニケーション
 5 言葉を介さぬ自己超越
 6 拷問のふたつの形
 7 政治の自己超越

第三章 終わりの経済学と経済の終わり
 1 わたしたちに残された時間
 2 経済と死
 3 統計的な死をめぐる経済学と反実的な死
 4 待機 自己の死と金融バブルの崩壊
 5 アポカリプスの経済学

第四章 経済理性批判
 1 カルヴァン主義的選択の不合理と資本主義のダイナミクス
 2 自己の予定を選ぶこと
 3 自己背信の信とカルヴァン主義的な選択
 4 個人主義、この嘘

結び 運命論を脱けて

補遺 時間、パラドクス
今後の予定
予定なし

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